Beyond Meatに始まり、世界では植物性タンパク質(Plant Based Protein)が空前のブームになっています。その中でも、黄色えんどう豆という種類のえんどう豆からとれるピープロテインは、スポーツニュートリション界でも大きな注目を浴びています。
今回はそんなピープロテインについてまとめてみました。
ピープロテインとは?
まずピープロテインとは何か、というところからですが、そもそもピー(pea)は英語で「えんどう豆」という意味。ホエイプロテインとソイプロテインに続く第三のプロテインとして、米国や欧州を中心にシェアが拡大しています。
ピープロテインのメリット
当然、本場米国でも多くのシェアを集めているのは理由があります。ここからはピープロテインのメリットを紹介します。
タンパク質の含有割合が高い
今までの植物性タンパクは、50-70%のタンパク質含有割合が多く、やはりホエイプロテインをはじめとする動物性タンパク質にやや見劣りがしました。
しかしピープロテインは加工技術によってタンパク質含有割合を80%以上にすることも可能で、まさに植物性タンパク質としては非常に質が高いのです。
アルギニン含有量が豊富
一般的なホエイプロテインのアルギニンの含有量は、だいたい100g中2000mg前後です。それに対してピープロテインは5500mg程度のアルギニンを含んでいるため、およそ2.5倍の含有量を誇ります。
アルギニンは、高アルカリ性で味が非常に独特なため、単体での摂取は非常に困難です。したがって、アスリートやトレーニー等アルギニンを追加で摂取したい人たちには、ピープロテインはベストな選択肢になります。
乳糖や大豆イソブラボン、アレルギーを含まない
今までホエイプロテインやソイプロテインを飲みたくても飲めない人は、主に以下のような課題がありました。
・プロテインを飲むとお腹がゴロゴロしてしまう(乳糖不耐症/ホエイ)
・大豆イソブラボンによるホルモン変化を避けたい。(ソイ)
・乳アレルギー又は大豆アレルギー(ホエイ・ソイ)
・ヴィーガンやベジタリアン(ホエイ)
そしてこれらの課題を全て解決できるのがピープロテインです。したがって今まで飲めなかった人もプロテインを摂取できるというのが大きなメリットの一つとなります。
地球に優しい
さらに最近最もピープロテインが注目されている理由の一つが、地球環境への負担の少なさです。いくつかの研究によれば、肉食や牛乳が原因のメタンガスの発生量は、交通機関から発生する全ての二酸化炭素よりも多いと言われています。
もちろん、肉食を全てやめるのが難しくても、毎日飲むプロテインだけでもピープロテインに変えることで、地球環境を守る大きな一歩になるのです。
ピープロテインのデメリット
しかし、ピープロテインも当然メリットだけではありません。
ここからはそんなピープロテインの悪い点、デメリットを紹介します。
味付けが難しい
ピープロテインを加工する技術は、非常に難易度の高いものです。特に従来までホエイプロテインを製造していたメーカーは、ピープロテインの味付けに苦戦することが多いと言われています。これはホエイプロテインの味付けの技術と、ピープロテインの味付けの技術が違うためです。
しかしながら、現在はメーカーの技術が発展したきたため、全体的に美味しいピープロテインが増えつつあります。
価格がホエイと比較するとやや高い
現在、ピープロテインは国内外共にホエイプロテインの1.5倍から2倍程度の値段になっています。これはいくつかの理由がありますが、最も大きい理由はそもそもピープロテインの原材料の値段自体が高いということ。
現在欧州を中心に大豆農家がエンドウ豆農家に変わるなどして値段が安くはなってきているものの、ホエイで腹痛を全く気にしないボディビルダーや、アルギニンは別途サプリメントから摂取できる人などは、ホエイという選択肢もあるでしょう。
メチオニンの不足がある
ピープロテインは、単体で摂取するとアミノ酸の一つである「メチオニン」が不足する傾向にあります。したがって、エンドウ豆だけを配合したピープロテイン よりも玄米プロテインやヘンププロテインを混ぜたものがおすすめです。
どんな人におすすめ?
それでは、ピープロテインは一体どんな人におすすめなのでしょうか。
大きく分けると以下のような人たちです。
・ヴィーガン/ベジタリアンだがタンパク質を摂取したい
・アスリートやトレーニー、ダイエット
・アレルギーなどが気になる方
・より健康になるためにタンパク質を摂取したい方
これ以外にも、そもそもが質の高いタンパク質のため、多くの人が利用しやすいタンパク源です。
まとめ
いかがだったでしょうか。ピープロテインにはメリット・デメリットがあるものの、現代では非常にメリットが多いプロテインパウダーです。
この機会に、ぜひ試してみてください。